本当は怖い腹痛の急性虫垂炎

虫垂炎の症状

急性虫垂炎、いわゆる盲腸炎は10代20代の若い年代に多い病気ですが、大人がかからないわけではありません。虫垂は腹部右下の盲腸の先端にありますが、虫垂炎は最初から右下腹部が痛くなるわけではありません。
虫垂炎は最初にみぞおちから下腹部のあたりに痛みを感じ、その後、右下腹部へ痛みが移動してきます。激しい痛みを伴う場合もあります。痛みのほかに嘔吐や下痢、37度くらいの微熱の症状があります。急性虫垂炎の場合は、前触れもなく急に激しい痛みに襲われます。慢性虫垂炎の場合は、右側のお腹に弱い痛みや鈍い痛みを感じることがある程度で、そのほかの症状も胃が痛いような感じで食欲がなくなったり、微熱が続いたり、下痢をしたりと、あまり特徴がないので、診断が難しい場合があります。でも、そのまま放置しておくと腹膜炎を引き起こす危険がありますので要注意です。

症状が進行すると

虫垂炎と気づかずに、痛みを我慢していると、虫垂炎が悪化し、虫垂が腫れて破れてしまい、お腹の中に膿が漏れだし、腹膜炎を起こします。腹膜炎は症状が悪化すると、血液中に菌の毒素がめぐって敗血症を引き起こして、死に至る場合があります。虫垂炎は簡単な手術の代名詞になっていたくらいの治りやすい病気です。でも、発見が遅くなったり、痛みを我慢して症状が進行してしまった場合は危険な状態になることがありますので、尋常ではない痛みを感じたら、病院に行くことをお勧めします。

虫垂炎の診断方法

なんとなくみぞおち辺りが痛くて体調が良くないときに、かかとを上げてストンと床に落としてみましょう。そのときに右側の腹部に痛みを感じたら虫垂炎の疑いがあります。痛みがみぞおちから右下腹に移動したことも自己診断のポイントです。病院に行って、医師が触診で腹部を押すときに腹壁を固くする反射が起こってしまう場合は虫垂炎である可能性がかなり高くなります。
以下、病院での診断方法です。
・虫垂炎ならば血液検査で白血球の数が正常よりも高くなっているはずです(虫垂炎に限らず、体内で炎症が起こっている場合、白血球数は高くなります)。
・大腸がんの疑いや痛みの場所の確認のために肛門を検査します。
・虫垂に石がないかどうかＸ線で検査します。
・超音波(エコー)検査で、虫垂が腫れていないか確認します（併せて虫垂の周りに膿の固まりが出来てないかなども検査します）。
・ＣＴをとることで、かなりの確率で虫垂炎を発見できます。

以上の検査で虫垂炎の診断をしていきますが、慢性虫垂炎の場合は判断が難しいようです。