月経前、月経中の痛みはあまり心配のない痛みです。月経の数日前から下腹部が重くなったり痛みを感じる方もいますが、特に珍しいことではありません。自分で生理周期を把握していれば、すぐに月経が原因の下腹部痛ということが判断できると思います。
次に、便秘が原因になっている下腹部痛もあまり心配はいりません。何日も便が出ない。あるいは出ているつもりでもお腹に違和感を覚えることがあります。このような便秘による腸内環境の不調からお腹がポッコリ出てしまったり、下腹部に我慢できないような痛みを感じるケースもあります。ほとんどの場合は休養することで症状が良くなりますが、あまりにも症状が酷い場合は病院での受診をお勧めします。
次に下腹部痛がシグナルとなる女性特有の病気を紹介していきます。
・子宮内膜炎
この病気は子宮内膜に炎症が起こる病で、子宮内に細菌が入り込むことで起こります。月経前後や産後、病気等によって体の抵抗力が落ちている時期は要注意です。子宮内膜症の主な症状は、下腹部痛・腰痛・不正出血・月経血量の増加などです。特に月経中の痛みが急に激しくなったり、出血の量が増えた場合は病院での受診をお勧めします。
・子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の筋肉部分にできる良性の腫瘍で、ごく小さいものを含めれば多くの女性が持っていると言われています。良性の腫瘍ですから、小さいものはさほど心配がありませんが、10センチ以上の筋腫ができてしまうケースもありますので、定期的な検診が理想です。子宮筋腫の代表的な症状は月経血量と下腹部の痛みです。月経の度にどんどん症状が重くなるという場合は要注意です。
・卵巣腫瘍
卵巣に腫瘍ができることを卵巣腫瘍と言います。卵巣は子宮の左右に1つずつあり、卵巣腫瘍のほとんどはどちらか一方のみに起こります。卵巣腫瘍には良性、悪性、そのどちらの性質も持つ中間的なものの3種類に分けられます。卵巣腫瘍の主な症状は下腹部痛・腹部の膨満感・便秘・頻尿などがありますが、症状のないケースも多く、その場合は発見が難しいです。
・子宮外妊娠
子宮外妊娠とは子宮腔以外に受精卵が着床することを言います。症状としては、我慢できないほどの激しい下腹部痛が起こります。子宮外妊娠の場合、赤ちゃんが育つことはありません。そのままにしておくと卵管の破裂により大量出血を招く危険がありますので、なるべく早く病院で受診することをお勧めします。
・骨盤腹膜炎
子宮や卵巣はを包む骨盤腹膜に炎症が起きた状態を骨盤腹膜炎と言います。性行為によって感染するケースが多いとされていますが、原因はそれだけとは限りません。別な原因としては子宮内膜炎が重症化して、骨盤腹膜炎へと移行するケースもあります。
腹痛に梅干が効果があると言われていますが、実際に薬効があるのでしょうか?梅干にはクエン酸などの有機酸、ビタミンA,B1,B2,Cなどのビタミン群、ミネラルなどいろいろな成分が含まれています。それぞれの成分には疲労回復や殺菌などの効果がありますので、腹痛への効果も見込まれます。
女性にとって下腹部痛はよくある種類の痛みですが、毎月の生理に係わる心配のない痛みと他の病気の可能性のある下腹部痛がありますので、見極めることが重要です。特に生理の時期と関係のない激しい下腹部痛の場合は速やかに専門医の受診をお勧めいたします。
子供の急な腹痛は、親でも判断が難しく、過度に慌てすぎても、そのまま様子見していても適切に対応できないことがあります。子供が腹痛を訴えたときには、その様子をよく観察してありのままを医師に伝えることが重要です。腹痛といっても軽いものから重篤な病気までいろいろあるので、その種類を知っておくことも大切です。